2014年12月31日水曜日

古書目録ワールド

新年早々というより、すでに始まっている、千代田区立図書館のこの特別展示は、正直すごい!だって、古書目録ですぜ(笑)




 一般に古書(販売)目録と言っても、ピンとこない方もいらっしゃると思います。古書店にとって、いまはネット販売がかなりの割合を占めており、ネット販売専門店なんかもあるぐらいです。ネットで検索すれば、たちどころに古本の有無がわかる便利な世の中になりました。

 もちろん、ネットが普及する以前は店頭販売がほとんどでしたが、古書についてはかなり早い段階から『目録販売』を行っていました。なぜなら、書痴(失礼!)は全国規模で『探書』をおこなうので、古書店のほうも全国の書痴にアッピールする必要があったのです。
 また、数が少なくなったとはいえいまだの全国で古書市がひらかれています。その古書市でも目録が作られます。これは古書市の出品目録も兼ねますが、常連さんには事前に目録が配られ、事前に目録買いをする事が可能です。もちろん一点物ゆえ、希望者が複数の場合は抽選になり、そこには様々なドラマが(笑)

 しかし、そんな古書目録は言って見れば通販カタログなので、保管収集している方はそうそうはいません。あたりまえですよね〜(笑)しかしなんと、千代田区立図書館にはそんな古書販売目録のコレクションが!そこから見えてくるのは…

過去の古書販売目録からは、その時点で存在していた古書の概要や値段の変遷などを知ることができ、またその時々の書物の流通の手がかりを得ることができま す。一点一点の稀少性というよりは、コレクションとして集まることにより、出版文化史を研究する上で重要な意味を持ってくる資料です。(千代田区立図書館HPより)

 素晴らしいじゃありませんか!今回はそんな古書目録の展示のみならずなんと!古書のエキスパートがその魅力を語ってくれるそうです。南陀楼綾繁さん、岡崎武志さんって、いわゆる古本修羅って呼ばれる人たちですね。さあ、あなたも修羅の仲間入りはいかがでしょうか?(笑)



詳しくはこちらからどうそ → http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20141121-15010/

しかし千代田区立図書館は、なにげにそれ以外もかなり面白そうなとこですね♪

2014年12月29日月曜日

てぶくろ!

さて、あんよさんからこれも冬らしい絵本のレビューが届きました。作者のラチョフはロシアの人。ロシアの冬はそれはそれは寒そうですが、ロシアの冬の物語はだからこそ、暖かい話が多いのでしょうか?



てぶくろ
作: (ウクライナ民話)
絵: エウゲーニー・M・ラチョフ
訳: 内田 莉莎子
出版社: 福音館書店

 雪の降る森の中、こいぬと歩いていたおじいさんが手袋を片方落としてしまいました。おじいさんは 落としたことに気がつかずに そのまま歩いて行ってしまいました。しんしんと雪は 降り続いています。




しばらくして、ねずみが やってきました。てぶくろは 温かそうなので ねずみは そこで暮らすことにします。

あ~ ねずみさん いいおうち見つけたよね。

ところが それだけではないのです・・・・

 


 とても不思議なお話です。大人が読むと ???なことも あります。でも このようなお話を 楽しめる子供たちの感性は 素晴らしいと思います。
 私が 小学校の2年生の頃 不思議なお話が 国語の教科書に載っていました。感想を言うことになり 「とても不思議なお話だと思いました。私もこういう〇〇が 欲しいです」というようなことを 言いました。

  先生から「本だから 不思議なのは当たり前。あなたが欲しいという〇〇は 実際にはありません。こんなのは、感想ではないから ダメです」と言われました。  


 不思議を そのまま受け入れる・・・ そんなこころは いくつになっても大事にして欲しいなと思って 子供たちに 読み聞かせをしていきました。 大きなお子さんが いらっしゃるなら お子さんに読んでもらってください。絵の隅々まで味わっていただきたい 1冊です。 


 手袋の片方を落とした経験はみなさんけっこうあると思いますが、その手袋がこんなふうだったら楽しいなぁ♪しかし、世の中にはこの『片方だけ落ちている手袋』ばっかり集めている不思議な人がいます。題して『片手袋大全』そこにはどんなファンタジーがつまっているのでしょうか?そんな不思議な世界の扉はこちら → http://katatebukuro.com/index.html

2014年12月25日木曜日

工藤淳

工藤淳氏といって、すぐにピンと来るひとは相当なもんだ(笑)
クドウジュンといえばわかるかな?
クドウジュン→ク堂ジュン→ジュンク堂(笑)
ジュンク堂創業者の工藤恭孝氏は淳氏の息子である。 

wikiによればジュンク堂は、ジュンク堂書店の戦略は「充実した品揃え」とされ、どの分野の書籍も満遍なく置かれているのが特徴で、大型書店の基準といわれる500坪を超える1,000坪以上の売場面積の店舗が多く、多少不便でも来店する目的意識の強い顧客にターゲットを絞っており、平台よりも縦に並べた書架の多い図書館風のレイアウトも特徴で、同社の戦略は他の書店に影響を与えたと言われているそうだ。

 →http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%82%AF%E5%A0%82%E6%9B%B8%E5%BA%97

さて、そんなジュンク堂は、飛ぶ鳥も落とす勢いだと思っていた。しか〜し!!ジュンク堂が無くなりました。丸善書店を存続会社とする吸収合併方式で、ジュンク堂書店は解散する。合併後、社名は「丸善ジュンク堂書店」に変更するとあるけど、どちらも丸善CHIホールディングスの100%子会社だったのね〜。しかも大日本印刷傘下!

 2014年1月期の通期業績は、丸善書店が売上高213億9400万円、営業利益3億7200万円、純利益2億6900万円。ジュンク堂書店が売上高503億1000万円、営業損益が9500万円の赤字、純損益が1億6300万円の赤字だった。  ということで、ジュンク堂は丸善の倍以上の売り上げがあったのに、純利益でここまで差がついていたとは…本の小売りって、難しい。

ネタもとはこちら→ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141224-00000076-zdn_n-sci







 

2014年12月23日火曜日

鉄塔文庫

 過日、東北の一箱古本店主が仙台にあつまり、忘年会を執り行いました。幹事の icco文庫さん、御骨折りありがとうございました。

 一次会はイタリアンな感じで、まったりと飲み放題(笑)話題の90%が古本の話だった事は言うまでもありません。始めて参加した時の事、古本への想い、お客さんとの事、最近読んだ本などなど、話題はつきません。基本、みんな人の話を聞かないで自分の古本愛を 語ってました(笑)

 さて、インターバルをはさんで、二次会はかねてから気になっていた鉄塔文庫さんへ!古本+立ち飲み=あこがれですかね!





 戦後の闇市の香り漂ういろは横町。その片隅に(隅じゃないけど w)たたずむ鉄塔文庫。中は二つの本棚に挟まれたカウンター、立ち飲み机が二つ。10人も入ればぎゅうぎゅうになってしまうようなスペースです。






 もちろん、 一杯目のお酒を注文するのもわすれて、まずは本棚チェック。お酒の注文より先に古本の注文をするものも(笑)もう、夢の国のようです♪しかも、BGMはなんと!浅川マキ!! 本棚にはさりげなくこの本が置かれていました。



 お酒を飲みながらも、それぞれに何度も何度も本棚チェックで、一次会とは打って変わって無口な私たち。まさに『うるさい客には蟹を食わせろ』ならぬ、うるさい客には本棚を見せろな晩でした。

2014年12月20日土曜日

コーヒーを一杯

 本のお供といえば、ビール? コーヒー? それともお菓子??てのは前にやりました。今回はコーヒーのお話。読書をする雰囲気で、「コーヒーの香りに包まれて」というのは、決して悪くないと思います。できれば、コーヒーはインスタントじゃなくて、きちんと淹れたいですね。でも、サイフォンを準備するのも大変だし、水出しは時間がかかるし…ケメックスやエヴァ・ソロは高いし… なんか、いいのはありませんかね? 

ありますぜ、だんな! ドリップコーヒーの要 であるペーパーフィルター。これにこだわってみるというのはどうでしょう??

 さて、「和紙」が世界無形遺産に登録され、その和紙は文化財の修復なんかにも活用されている話を以前しましたが、和紙とくに楮(こうぞ)や三椏(みつまた)を使った和紙は、繊維が長く、しなやかで強靭。そんな和紙のペーパーフィルター、ありそうでなかったみたいですね。そんな和紙のペーパーフィルター、calo bookshop & Cafeさんで取り扱い始めました!






 それだけで美しいですね〜!!世界遺産に登録されたのは細川紙、本美濃紙、石州半紙ですが、このフォルターに使われている土佐和紙もその歴史と品質においては、一歩もひけはとりません。リフィル用だと一枚約40円ですから、喫茶店はおろか、コンビニの100円コーヒーの半額です。このこだわりを高いと見るか安いと見るかは、あなた次第!


気になる方は、こちらからどうぞ〜 → http://calobookshop.shop-pro.jp/?pid=84837024

2014年12月18日木曜日

ゆきはしろい しろいはこねこ

 爆弾低気圧のおかげで、日本全土で12月のとはおもえないような雪が降りました。冬はやっぱり雪がないと!とも思いますが、あんまり降られても、ねえ。
 そんなきょうは読書普及協会きっての絵本好きなあんよさんが、雪の日にぴったりの絵本を選んでくれました。ぜひぜひ、読んで見てくださいね!


















初冬というのに 冬将軍 到来ですね。 皆さまのお住まいのところでは
雪は いかがでしょうか。
今日の1冊はゆきのねこ 大人向きの絵本です。

作: ダイヤル・コー・カルサ
絵: ダイヤル・コー・カルサ
訳: あきの しょういちろう
出版社: 童話館出版



あたり一面雪で真っ白・・・・そんななかで

たったひとりでくらしたことがありますか?
雪世界の描写が とても綺麗で
最初の1ページを読んで
目を閉じると
まるで 雪の世界にいるように感じる1冊です。

そんななかで 一人暮らしをしている少女の願いは

おおきな猫が欲しい ということでした。
神様は 少女の願いを 聞いてくださり

大きなゆきのねこが 少女の元にやってきます。

春になって ねこがいなくなるのでは ないのです・・・

出会いと別れ、いのち・・・・

窓に外の雪景色を 感じながら 温かい部屋で この絵本を 開いてみませんか。 




出版社のページはこちら → http://www.douwakan.co.jp/group/books/145.html

2014年12月15日月曜日

金字塔!

もうね、年末に飛び込んだビッグニュース!なんと東洋文庫とともに平凡社の偉業とも金字塔ともたたえられる、荒俣宏『世界大博物図鑑』がついに装いも新たに再刊されます!!
 → http://www.heibonsha.co.jp/book/b158979.html (オリジナル版)
 このシリーズに匹敵するのは、プリニウスの博物誌ぐらいじゃないか?


しかもその復刊自体が、平凡社100周年を記念してだというから素晴らしいじゃないですか!平凡社、えらい! 


 












 




松岡正剛先生もそれにしても『世界大博物図鑑』の刊行は、日本1980年代最大の事件のひとつに数えられる快挙だったと大絶賛のこのシリーズ!

 セイゴオ先生は1970年代の終わりから80年代にかけて、多感な時期に青春を送ったボクらの神様なのだ。そのセイゴオ先生が

それで荒俣宏が何をしたかといえば、まさに現在の科学から置き去りにされた“死んだ項目”をついに復興させたのだ。また、記述のなかで人間の歴史文化的想像力の痕跡の復活に挑んだのである。

いったい、そんなことを知ってどうなるかと思うバカモノたちがいるだろうとおもうので、一発、ビンタをくらわせておく。それなら、では聞くが、いったい「知る」とは何を知ることなのか。それを答えなさい。

と、手放しの誉めよう である。→ http://1000ya.isis.ne.jp/0982.html
 
もうね、古今東西を問わず、実在しているかどうかなんて蹴散らして、虚と実のあわいに怪しく輝くのであ〜る。しかしただひとつ残念なのは、価格という現実がボクらが夢見ることを邪魔するのであった!しかも、復刊したヤツはオリジナル版より値上がりしとる…
→ http://www.heibonsha.co.jp/book/b185104.html

2014年12月13日土曜日

哲学 する!?

本のお供といえば、ビール? コーヒー? それともお菓子??

ボクの場合は付箋です。ふ・せ・ん!  気に入ったフレーズや引っかかりのあるところ、あとでつっこんで調べるところなんかに貼っています。世の中にはいろんなサイズ、形、色のふせんがありますが、ボクがいちばん使っているのが100均で買ってくる5ミリ幅ぐらいの細長い半透明の付箋で、マーカーの代わりにも使える優れもの。
 
そんなふせん界?に衝撃の新作がデビュー!その名も哲学のふせん これは画期的でしょう!! 印刷した言葉や記号を作品化するアーティスト三澤水希さんの作品が商品化されたものらしいです。



ただ本に貼る。それだけでだけで自動的に、あたかも自分がその著者と同じ考えに至っているかのような錯覚を起こさせるふせん(笑)たとえば、本に貼ればこんなふうになります。




お買い求めはこちら→ http://missan330.tumblr.com/post/24944340702 からどうぞ〜♪

2014年12月11日木曜日

夢の砦(笑)

さて、今日はこちら↓のブログを紹介します。古本まみれです(笑)
http://furuhonya-tour.seesaa.net/article/410319266.html

南陀楼綾繁氏と言っても、ご存じない方もいらっしゃるだろう。ライターで編集者で、そんでもって一箱古本市をはじめた偉大な方であ〜る。私も一箱古本市で2〜3度御見かけしたことがあります。


一箱古本市とは?という方はこちら→http://sbs.yanesen.org/?page_id=31をご覧ください。平たく言えば本のフリーマーケットですが、なかなかこれが侮れない。売るほうも買うほうも、面白いったらありゃしない!

最近は全国各地でさまざまな趣向をこらした一箱古本市が開催されております。 小さいところは10軒ぐらいから、大規模なところでは60〜70軒ぐらいかな。プロの古書店とアマチュアがならんでいたり、本だけじゃなくていわゆる『紙もの』や手作りブックカバーなんかも販売していたり。

そんな南陀楼綾繁氏の書庫!!ああ、よだれがでそう。八畳間に十二本+ミニ棚一本と、四本の可動式書棚って、もう笑うしかありません。今回の『片付け』ミッションが意外に早く終わった気がする。それを見た氏は「床が見えた見えた」と三年ぶりの景色に大喜びって、うちも床が見えない場所もあるけど、うちの場合はただ散らかってるだけだから!

蔵書家をとおりこすと、書痴とか言われてましたが、ここまでくると片付けさせるほうも、片付けするほうも、本当に夢のような話ですね〜。ああ、あやかりたい(笑)

2014年12月9日火曜日

ゴジラだぁ〜! いや、討ち入りだぁ〜〜〜!!

読書普及協会の会員の中に、講談師をしている知人がおります。ちょっと見は近所の気のいいおばさん(笑)でも、ひとたび張扇を手にするとたちまち講談師の顔に変わり、グイグイグイ!っと聴取をその話術に引き込んでしまう大魔神のようなお人柄。

そんな田辺一乃(かずの)さんは、あの!田辺一鶴師匠にスカウトされ、それまでの職を辞して講談の道に踏み込んだ強者です。こちら→http://fine.ap.teacup.com/maruki-g/2411.html でその一鶴師匠ゆずりの大胆にして革新的な講談の一端を垣間みれます。

そんな一乃さんが、討ち入りの日になんと辻講釈をします!しかも、松の廊下+赤穂の早打ち+大高源吾+討ち入りというゴージャスなラインナップに加え、なんとゴジラ以上に私の大好きな!!!俵星玄蕃がかかるじゃありませんか!!

御用とお急ぎじゃない方は、ぜひぜひ!この機会に講談に触れてみてはいかがでしょうか?ちなみに、お代は投げ銭ですよ〜〜!!

2014年12月7日日曜日

こだわりの

本が好きな人のほとんどは、本を読むのが好きなんだと思います。『読めりゃいい』という人も少なくないと思いますが、そういう人だって『なんじゃこりゃ?』という表紙よりは、できれば素敵な装丁のほうがいいですよね。

今回、岩波書店から夏目漱石の『こころ』刊行100周年を記念して、特装版が発売になります。あ、岩波版は『こころ』じゃなくて『心』なんですね〜♪


この装丁を担当したのが祖父江慎さんです。もう、装丁の第一人者ですね!このかた、グラフィックデザイナーのみならず、夏目漱石にものすごく造詣が深い方だと言うことを、今回始めて知りました。単純に『凝った』装丁ではなく、そのひとつひとつが書籍にかんする深い知識と漱石に対する愛に裏付けられているようです。

また、内容についてもそこで! いっそ,間違いを正そうと判断することはやめ,今回の『心』は,「無編集・無校閲」で進めてみるという方針を提案させていただきました.本当の間違いかもしれないところも,狙いの間違いかもしれないところも手を加えないで,原稿のままでいっちゃいます.だそうで、岩波さんはこのことを『ちょっとした事件』と言っています。

復刻初版本と較べてみるのも楽しいかもしれませんね(笑)



そんな祖父江慎さんが12月11日(木)にリブロ池袋で トークイベントに出演します。興味のある方はぜひぜひ!→http://www.libro.jp/blog/ikebukuro/event/1211.php

2014年12月5日金曜日

酒は飲め飲め









安土城考古博物館特別展のお知らせです。前期・後期と趣の異なった展示がなされるようですね。

前期:第50回企画展 国酒の寿ぎ 26年12月20日~平成27年1月25日
後期:琵琶湖文化館特別陳列 桜花の寿ぎ 平成27年2月7日~3月15日
日本酒の歴史は、稲作の豊穣を祈る神祭りとともにありました。日本酒は神と人・人と人を結ぶ、聖なる飲み物であり、それ故「国酒」の称号を与えられている のです。本展では、日本酒の持つ「結ぶ力」に焦点をあて、ここから生まれた様々な文化資源を紹介し、日本酒の担ってきた役割を考えます。また、日本酒の生 産と酒から見た基層文化の展示をベースにしつつ、前期は「国酒の寿ぎ」をテーマに、様々なジャンルの文化財を紹介します。


私自身は全くの下戸なんですが(笑)博物館の展示なら、大歓迎です。

2014年12月4日木曜日

網野史学の入り口

 























 さて、一般の方にはあまり馴染みが無いかもしれないけれど、網野善彦といえば中世史学を一大転換させた張本人である。中世が自由で闊達な時代であることを喝破し、歴史を考える上でまったく新しい視点を作り上げたといえる。

そんな網野善彦没後10年にして、対談集しかも全5巻!の刊行が始まった。やるな、岩波。

 対談相手はこれもすごい人たちばかり!史学家ばかりじゃなくて、思想家あり、作家あり、クリエイターあり、小沢昭一あり!!

 網野善彦の単行本は、日本史好きの方でもなかなか手に取る機会は少ないとおもうけれど、たまにはこんな本を手に取ってはいかがだろう?もしかすると、今まで経験したことの無いエキサイティングな知の世界に出会えるかもしれない。

2014年12月2日火曜日

トナカイ!

さて、今日は絵本の紹介です。

読書普及協会会員の通称あんよさんは、リケジョ!で現在は数学の指導をしています。マンツーマンで数学を教えているのですが、決して問題を解くためのノウハウの教授でもなければ、点数を上げるための指導をしているわけでもありません。子どもたちが自分で考え、数学の楽しさにとどまらず、数学に限らず問題を解く過程を楽しむことを全身で教えています。そんなあんよさんは数学だけじゃなくて、実は絵本も大好き。絵本の話をしだすと止まりません。(ほんとはマンガも大好きなんだけど、それはナイショです)

今日はそんなあんよさんが絵本を紹介してくれます。いきなり寒くなった今日この頃ですが、こんな絵本を読んでほっこりしてみませんが?ああ、クリスマスが待ち遠しいぜ!

となかいはなぜサンタのそりをひく?
モー・プライス 文/アツコ・モロズミ 絵/松野 正子 訳
岩波書店 1994年


 
















12月なので クリスマス関連から。
いくつになっても クリスマス、お正月は ワクワクします。

日本の冬は 寒いですし 木々も 葉が落ちて 寒々していますが、
それもまた楽し・・・だと思っています。

クリスマスには サンタクロース というのは どなたもご存知だと思います。
サンタクロースの本は たくさんあるのですが、そりを引くトナカイについての本は
なかなかありません。

どうしてトナカイになったのでしょうか?

あなたの大好きな人と いっしょにページをめくってみませんか?

〈あんよ〉

2014年11月30日日曜日

まちかんてぃ

 ボクらが本を読めるのは、ボクらは学校で『国語』の授業を受けたからだ。そして、本を買うお金があって、図書館もあって、本を読む時間があるから。

 でも、かつてはそれが許されなかった人たちだっていたことを忘れちゃいけない。自由に本が読めなかった時代、自由に学ぶことが許されなかった時代。戦中戦後の混乱期に様々な理由から就学を断念し、断念させられ、義務教育を受けていない人たちだって、いるのだ。

そんな人たちに、10年前から学びの場を提供している場所が学校NPO珊瑚舎スコーレだ。 そしてこのたび、生徒たちからの聞き書きを1冊の本にまとめる試みがスタートした。それが聞き書き集「まちかんてぃ!(仮称)」である。記事によれば、書名の「まちかんてぃ!(仮称)」は2004年の第1期生が入学を祝う会の席で「いつか自分が通える学校ができると思い60年待ったよ。先生、『まちかんてぃ』してたよ。(待ち兼ねていたよ)」と笑顔いっぱいで話した生徒の言葉からもらいました。ということだ。 

沖縄戦で止まった学びの時計を動かし始めたおばぁ達の想いを本に!

以下、上記webからの転載です。

学ぶこと生きることの素晴らしさを多くの方に伝えたい!

沖縄が日本に併合されて150年近くが経ちます。その間、沖縄の人々は政治の波に翻弄されて来ました。とりわけ先の大戦で唯一地上戦が行われた沖縄は筆舌 に尽くしがたい凄惨な状況に陥りました。その時代にちょうど学齢期を迎えていた子供たちの過酷な現実とそれを乗り越え、それぞれの生活を精一杯生き、60 年以上経っても、なお学校で学ぶことを求める姿は「人間って素晴らしい!」を実感させてくれます。


聞き書きの一部を紹介します!

 お昼のラジオを聴いていたら戦争で学校に行けなかった人の学校があると言っているんです。エンピツが間に合わなくて電話もわからん、学校の名前もわ からん。その後もラジオを聴いていたけど、その1回しか放送しないわけ。そこで役所の救済をうける課に行って話をしたら、やっとここ(珊瑚舎)が与儀にあ ると分かった。
 
68歳まで無学できました。戦争で父は兵隊にいき、それっきりです。母は弾で死にました。兄弟がいたような気もするのですが記憶にないんです。まったく一 人でした。弾が飛び交う中、側にいる大人をお母さん、お父さんと呼んでくっつきまわって生き延びたんです。孤児院にも入れず10年近く7~8名の育ての親 というような人たちに引き回されました。今思えば、小さいながらも労働力としてあちこちをたらい回しにされたんです。名前もサチコ、ヨネコ、サチエ、とそ の親ごとに変えられ、自分の本当の名前を忘れそうでした。それでもいつか、だれかが学校に歩かせて(行かせて)くれるだろうと思い必死で働いたんです。で も、10歳のころ誰も学校にやってはくれないと分かったときは悔しいというか無念で首が横に曲がってしまうほどでした。

30年前ぐらい、どうしても学校に行きたくて役所に相談にいったら弁護士のような人がいて、自分で勉強しなさいと言われました。小学校にも入学していない のにアキサミヨー(とんでもない)と思ったけど、どうしようもないので本屋に入って初めて辞書というものを知りました。言葉でいっても通じないかもしれな いけど、無学ということは暗闇、真っ暗ということなんだよね。やるべきことは必死に努力してみんなやってきた。人間としてしそこなっているのは学校に行く ということだけなんです。もの心ついてから、そのことが苦しい。こんな哀れは残るんです。10歳から待っているんですから。


字をゆっくりでもいいからきれいに書くのが嬉しい。昨日理科で台風と温暖化について習った。漢字が難しいけどカナをふってあるから大丈夫。どの科目が好き か嫌いなんてない。みんな好き。どんなことがあっても引けない。ここの学校に来ないわけにはいかないんだよ。それだけ無学のままのこの60年間は真っ暗 だったんだ。

(2008年 K.T.さん 女性 談)



 彼らは学問への希望を失っていない。学ぶこととは何かをあらためて 考えさせられた。彼らを支援することも大切だけれど、ボクら自身が一生涯、希望を持って学ぶことはそれ以上に大切なことかもしれない。誰も二度と、彼らのような人生を歩むことがないように。

 そのために、ボクらは彼らの言葉に耳を傾け、彼らの言葉を伝えていかなければいけないのではないのだろうか?ぜひとも支援をお願いいたします。支援はカード決済による引換券の購入ですが2月11日(水)午後11:00にプロジェクトの目標金額に達していた場合のみ、決済手続きが行われます。目標金額に達さない場合は、決済は一切行われません。ということです。支援の詳細はこちらから

ところで、「珊瑚社スコーレ」ってゲッチョ先生こと盛口満先生も講師をしているところかな?

SF奇書天外!

さて、今日は本の紹介です。とはいえ、世の中の皆様のほとんどが一生のあいだにまずかかわることのない本です(笑)

 世の中に奇書・珍本と言われるものは数あれど、その多くはいわゆる〈B級〉であり、下世話なものも少なくありません。歴史的・文化的に重要な書籍は貴重書稀覯本とよばれ、まったく扱いが異なります(笑)
 しかし、 この奇書・珍本のたぐいにたまらない魅力を感じる人たちがいるのもまた然りで、近代のとくに空想科学小説(いわゆるSFね)や少年小説にはあの人がこんな荒唐無稽な小説を!?とか、いくらなんでもそこまで書くか?というものも少なくないようです。
 その道には横田順彌先生の〈日本SFこてん古典〉1〜3というそれこそ古典的名著がありますが、いかんせん 世に出回らないからこそ奇書・珍本なのであり、いまだその全貌は解明されておりません(笑)

 しかし、数多い古書コレクターのなかでもそっち(笑)に軸足をおいて活躍しておられる方もおいでになり、今日紹介する北原尚彦さんはその筆頭とも言えるでしょう!そして、今回ご紹介するのはそのものズバリ!

〈SF奇書天外〉














では、東京創元社のHPから引用してみます。

戦後のSF史・古書史に燦然と輝く(あるいは、ほとんど知られることのなかった)綺羅星のごとき奇書、珍本。マニアたちのあいだで密かに語り伝えられる、 奇妙奇天烈、摩訶不思議な小説を読みに読んだ、その道の第一人者が網羅して紹介する。ポルノSFから自費出版書籍まで、カラーを含む図版300点近くを収 録。すべてのSFファン・古書ファンに贈る必携の1冊。
ふむふむ。 
>では、同じく目次の一部を

一九四〇年代後半~五〇年代
 コレクター垂涎の『醗酵人間』
 あっと驚く翻案童話『龍宮城』
 エーテルの風が吹く『科学童話 電気の国をゆく』
 親類が書いた(?)『空とぶ怪艇』
 怪しい奇想短篇集『魂の飛ぶ男』
 遂に巡り会った『宇宙探偵 星に消えた子』
 怪奇実話作家の書いた『遊星人現わる』
 これが推理小説? 『淫神邪教事件』
 《星雲》生みの親の『秀吉になった男』
 日本だって革命が起こるぞ! 『赤い太陽』
 電力界ファンタジイ『電力の鬼』
 火星推進機はどこへ? 『バラモンの洞窟』ほか諸々
一九六〇年代
 ゲルマン神話+世界史+α=『落・奈落』
 地方出版のSF童話集『昆虫人間の朝』
 ベストセラー推理作家のSF『太陽と砂』&『おお21世紀』
 ノストラダムス作家のスパイSF『危機の数は13』
 後の直木賞作家のエロスパイ小説〈P07号〉シリーズ
 ホントに翻訳? ポルノSF『性にとらわれて』
 SFセミナー明けの大発見『エミトン』
 復刊はまず不可能? 『キチガイ同盟』
 森奈津子さん好み(?)のSMSF『不適応者の群れ』
 大ハズレな未来予測たっぷり『1980年の恋人』
 作者は実は×××と同一人物の『改造人間』
 しっかり時間SFしている金属啓蒙書『アルミニウム物語』
 マンジュウ本の幻想短篇集『出発してしまったA’』

 
1970年代以降の目次は引用を省略しましたが、どうです? ワクワクしてきませんか?(笑)しかし、目から鱗だったのは奇書・珍本は現在も出版されているということでしょうか。トンデモ本と言ってしまえばそれまでですが…しかし現在発掘されているそうした奇書・珍本は、出版当時はどういった人たちがどういった想いで読んでいたんでしょうね?非情に気になります。

ま、古書市や古書祭りに行けない、地方在住の極小資本しかもたない我々のような古本好きは、こういった本を読んで古書のロマンに浸るとしましょう♪

本日の引用元<http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488015244>

2014年11月28日金曜日

わしわしわし!

和紙が世界無形遺産に登録されました。 以下、NHKのwebsiteから引用します。

 世界各地の伝統文化や芸能を保護するユネスコ=国連教育科学文化機関は、日本の手すき和紙の技術が世代を超えて受け継がれ、地域社会のつながりを生んでいるとして無形文化遺産に登録することを決めました。
 ユネスコは26日、パリにある本部で委員会を開き、日本の手すき和紙の技術を無形文化遺産に登録するかどうか、審議を行いました。
 その結果、「地域でこうぞの栽培を進めたり、教育現場で手すきの体験活動を行ったりして、世代を超えて伝統的な知識や技術が受け継がれ、地域社会のつながりを生んでいる」として、日本時間27日午前3時前、無形文化遺産に登録することを決めました。
 

 登録が決まったのは、島根県の「石州半紙」、岐阜県の「本美濃紙」、埼玉県の「細川紙」で、いずれも「こうぞ」だけを原料に伝統的な手すきで作られています。
 このうち「石州半紙」は、5年前に無形文化遺産に登録されましたが、日本政府が和紙作りの技術をより強くアピールしようと、去年3つまとめて新たに提案していました。
登録を受けて、会見した文化庁の青柳正規長官は「これほど完璧に良い質の紙を作るのは、今では日本だけになっている」と述べて、3つまとめて登録された意義を強調しました。
 

 そのうえで、「良質の木の枠組みを作る職人が減るなど、伝統的な和紙を作るためのインフラが弱っている。保護していかないと、すばらしい技術を維持できなくなる」と述べ、伝統技術を守るために国も全面的に支援していく考えを示しました。
〈http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141127/k10013518381000.html〉

 さて、本と紙は切っても切れないものです。もっとも、書籍用紙と言うと不透明度の高い淡クリームとか淡イエローとかが中心です。私は仕事で淡クリームキンマリの90〜120kgを使っていましたが、今は諸般の事情でマットコート紙を使っています。

 和紙の本はおそらくほとんど市販されていません。しかも手漉き和紙の書籍と言うとかなり高価な特注品になるのではないでしょうか(笑)そんな和紙が、実は世界中で書籍に使われつつあります。とくにエジプトでは、和紙に大きな期待が寄せられています。
 実は、エジプトの古代パピルス文書の補強・修復には和紙が使われているのです。実際に、和紙による修復技術の習得にエジプトから研究者が京都に研修に来ているところです<和紙:技術をパピルス修復に エジプト人、京都で研修>
 エジプトに限らず、強靭でしなやかな和紙と化学薬品を使わない日本の糊(でんぷんのり・ふのり)は、世界各国の歴史的価値を持つ書籍や紙資料の補強・修復・補完の現場で使われているのです。

 紙は本という形だけでなく、様々な形で文化を育み、守っているんですね〜! 

漢じるフェスタ

 さて、漢字のまち 喜多方ではこの週末に「きたかた漢じるフェスタ・ミステリーウォーク」を開催します。高橋政巳先生は読書普及協会に縁の深い方ですし、読書普及協会チーム喜多方のメンバーも喜多方を漢字のまちにする会で頑張っているので、告知させていただきます!








以下、告知ページより
 午前の部は、市民向けミステリーウォークを行います(喜多方市民以外の参加もOKです。) 謎解きが好きなミステリーファン待望の難問コースの上級コース、地域の文化、歴史、環境を学びながら散策する大人向けコースの中級コース、小学3年生から高齢者まで楽しく街歩きができる入門コースの初級コースの3種類を用意しておりますので、皆様お気軽に参加ください。喜多方プラザへゴール後は、古代文字で書かれた自分の名前カードを探す、更なるミステリーが待ち構えています。(自分の名前カードはお持ち帰りいただけます。)
 午後の部は、漢じるフェスタを行います 樂篆工房主宰 髙橋政巳先生と、漢字に興味のある2名による、楽しいトークショーがあります。 なぜ、右と左は書き順が違うのか?など、漢字の面白さに、思わず「ホォー!」と感嘆すること間違いなしです。 このフェスタで、漢字の面白さと奥深さを知り、喜多方の新たな魅力に触れてみてください。

 以上です。詳細、申し込みはこちらからどうぞ!

漢字のまち 喜多方って、なに?という方はこちらをぽちっと♪


2014年11月27日木曜日

読書にすすめ!

若者は本を読まない? そうなんです。私自身も本を読まない大学生に何度も出会っています。 その度に「なんで本を読まないの?」と聞くと 返ってくる言葉は何を読んで良いのかわからないでした。 本屋に行けば、ネットにつなげば、いくらでも本はあります。 でも、どの本から読めば良いの? でも、どの本が良い本なの? でも、そもそもなんで本を読まなきゃならないの? そんな人たちのためにこのブログをはじめました。 曲がりなりにも「NPO法人読書普及協会」の会員であるワタシ。 読書を普及してまいりましょう! ここでは読書普及協会やその会員がかかわるイベントのほか、 読書関係の大小の催し、一箱古本市情報などなど あるいは美術館や博物館の特別展情報など 読書にとどまらない情報を提供していくつもりです。 少しずつですが、素敵に偏った(笑)本の紹介もしていきたいと思います。 ただし、ゆる〜く、ね(笑)